
ブロックがS&P500に加わり、株式指数にビットコインへのエクスポージャーが拡大
2025-07-24 7:54:29
ブロックのS&P500採用により、株式投資家のビットコインへの間接的なエクスポージャーが拡大し、資産としての一般的な受容も進む可能性がある。
Block社がS&P500に仲間入り:株式市場でビットコインへのエクスポージャー拡大とは?
2025年7月、仮想通貨業界で注目のニュースがありました。Twitterの共同創業者ジャック・ドーシー氏が率いるフィンテック企業Block(ブロック)社が、米国を代表する株価指数S&P500に新しく採用されたのです。Block社は自社でビットコイン(BTC)を大量に保有している企業であり、今回のS&P500入りはビットコインが伝統的な株式市場にさらに浸透する象徴的な出来事と言えます。この記事では、その背景や意義、今後の見通しを解説します。
Block社ってどんな会社?
Block社は、もともとSquare(スクエア)という社名だった米国のフィンテック企業で、ジャック・ドーシー氏が率いています。モバイル決済サービスなどを手掛ける一方で、自社の資産としてビットコインを大量に保有していることでも知られています。
Cointelegraph Japanによれば、その保有量は約8,584BTC(約10億ドル相当)にもなり、企業として世界で13番目の規模だそうです。ドーシー氏が熱心なビットコイン支持者であることが、この戦略にも表れていると言えるでしょう。
S&P500に採用されるってどういうこと?
S&P500(エス・アンド・ピー500)とは、米国の上場企業から時価総額(企業価値)上位500社を選んで構成される代表的な株価指数です。この指数に加わるには企業規模や業績など厳しい条件を満たす必要があります。
Block社が今回S&P500に加わったことで、同指数に含まれるビットコイン保有企業は3社(Block社・テスラ・コインベース)になりました。テスラ(電気自動車メーカー)とコインベース(暗号資産取引所)は既にS&P500に含まれており、それぞれビットコインを企業資産として保有しています。
S&P500全体の時価総額は2025年第1四半期末時点で約50兆ドルにも達し、多くの投資家はETF(上場投資信託)など指数に連動する金融商品でこの指数に投資しています。
今回Block社が加わったことで、そうしたインデックス投資家も間接的にビットコイン市場の影響を受ける可能性が生じました(こうした間接的な投資のかかわりを「エクスポージャー」と呼びます)。言い換えれば、S&P500に連動するファンドを持つ人は、組み入れ銘柄を通じてビットコインの値動きに触れることになるということです。
実際、ある市場関係者はX(旧Twitter)上で「機関投資家の参入はビットコインの金融的認知度を高める。今後、より保守的な企業もビットコインを財務資産として検討するようになるだろう」とコメントしています。
他のビットコイン保有企業:コインベースとテスラ
S&P500には、Block社以外にもビットコインを大量に保有する企業があります。代表的なのがコインベースとテスラです。コインベースは米国最大手の暗号資産取引所の運営企業で、約9,267BTCを保有しています。テスラはイーロン・マスク氏が率いる電気自動車メーカーで、約11,509BTCを保有しています。
直近1ヶ月では、コインベース株が28.4%上昇した一方、テスラ株は4.6%下落しました。テスラの下落はビットコイン価格というより、企業の業績要因による可能性が高いと指摘されています。つまり、ビットコインを持つ企業だからといって必ず株価が上がるわけではなく、各企業の状況が大きく影響するということですね。
Block社株価の推移。S&P500採用発表前(2025年7月中旬)は1株約70ドルでしたが、その5日後には80ドル近くまで急上昇し、約14%の上昇率となりました。
ビットコインと伝統市場が近づく未来
今回のBlock社のS&P500入りは、仮想通貨が伝統的な金融市場に取り込まれつつあることを象徴しています。今後、ビットコイン価格の上昇や規制の整備が進めば、他の企業が財務準備金としてビットコインを保有するケースも増えるかもしれません。
主要な株価指数に仮想通貨関連企業が含まれることで、ビットコインの一般的な受容はさらに進むでしょう。ビットコインが「インターネット上のマネー」から現実の金融システムの一部へと歩み寄っている証拠と言えます。仮想通貨初心者の方も、これを機にビットコインと株式市場のつながりに注目してみてはいかがでしょうか。
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